病院内に葬儀屋と霊柩車の広告

骨折で入院した94歳の祖母を見舞うため,日曜日の夕方,夫と山梨へ車を走らせた。

祖母は今月始めごろ自宅で転び,足の付け根を骨折し,入院。心配はしていたが内蔵が悪いわけではないし,入院も長丁場になるだろうから…と,お見舞いは次の週末あたりに行くつもりでいた。

ところが,入院してから2週間経ち,家に帰りたいがためにハンガーストライキを起こして食事も薬も受け付けず,周囲を困らせる祖母のことを「もう,ダメかもしれない。意識がなくなってからでは遅いので,今のうちに会っておけ…」という父からの電話で,急遽,病院に駆けつけた。

病室に入ってみると,思いの外,祖母は元気だった。風邪を引いたため呼吸は少々苦しそうだったが,わたしたちが部屋に入ってからも,祖母はずっとしゃべりっぱなしだった。前日から,叔母と交代で付添っている母も驚いていた。

点滴を打っている腕や手の甲の内出血した注射跡は痛々しかったが,肌の色つやもいいし,上体は自分で動かせるし,なにより,よくしゃべる。わたしはすっかり安心して,「おばあちゃん,ちゃんと食べてよくなったら家に帰れるんだからね」といって祖母の脚をさすった。

やれやれ…と病室を後にし,玄関がある一階に降り,公衆電話の真上の壁を見てぎょっとした。壁には日めくりの暦がかけられていたが,その「日めくり」の両側に,なんと葬儀屋と霊柩車の電話番号案内が書かれていたのだ。

d0021488_12143375.jpg一瞬,目を疑った。病院を訪れる誰もが目にするような場所に,よりによって葬儀屋&霊柩車の広告とは…。患者とその家族の気持ちを考えない,あまりに無神経でその配慮のなさにあきれてしまった。

こういうものを掛けて平然としている病院側の感覚をなんといったらいいのだろう。病院という場所をいったいどう考えているのか。病院とは病を治す場所であるはずなのに,これでは,ここは「死に場所です」といっているようなものだ。

暦の上にある「○○タクシー」や「○○レンタカー」というのはわかるが,霊柩車もタクシーやレンタカーも,ここでは同列らしい。

電話で県内に住む姉に「病院も随分だ」と怒りをあらわにすると,「入院しているのはお年寄りばかりだから…」とか「古い病院だから…」と,肯定するような信じられない言葉が返ってきた。ここでは,これが当たり前なのか……。

意識の差にがく然とし,ますます怒りが沸々と沸いてくるのだった。

写真をよく見たら,暦の日付が16日のまま。これを撮ったのは18日だったんだけど。誰も気付かないのか「一事が万事」である。

by osanpocamera | 2007-02-19 12:28 | Comments(5)

Commented by アルファ at 2007-02-19 18:12 x
こちらでは初めまして。

そういえば、山へ行った帰りに、急にトイレに行きたくなり、近くにあった病院に寄ったのですが、すぐそばに葬儀屋がデデンと建っていたのには、ちょっとな~と思いました。
確か、そこの病院も、お年寄りが多かったようなんですが…。

私の祖母が入院しているとき、主治医が診に来たとき、祖母が、「先生、痛い、痛い!」と言ったら、主治医が「それはね、骨折してるから痛いんだよぉ」と言ってました。
もう少し何か言い方がないもんかね~と思いましたが、なんというか、病院もそうですが、「相手の立場になって考えてみる」ということができなくなってきているような気がしてならないこの頃です。

「割り切る」ことがクールなのはわかりますが、もうちょっとTPOを考慮してほしいです。
Commented by osanpocamera at 2007-02-19 20:03
アルファさん,こんにちは。
病院のそばに葬儀屋…ですか。信じられないですね。
便利でしょ? って観点で建ってるんしょうが,
あまりにも先を読み過ぎで興ざめですね。
Commented by 小坊主 at 2007-02-19 23:35 x
遺体搬送業というんでしょかね。許認可制なので、利権なのだそうですが、競争も激しいらしいです。

医者や看護婦に、普段から渡りをつけてあって、出そうだ、と連絡を受けると、すぐに霊柩車を回して、スタンバイしておくそうです。で、亡くなると、医者か看護婦が、「業者はお決まりですか?」
決まっているわけは無いから、そう答えると、「では、出入りの者が居りますから、そちらにご紹介しましょう。」
そういうシステムなんだそうです。
たまたま、2社が押しかけたりすると、遺体の奪い合いになって、「積み替える」という事態も、あったりするそうです。
女房の親父が亡くなった時、学びました。
Commented by ぴょん at 2007-02-20 01:49 x
オーロラさん、こちらでは初めまして~。

実家のすぐ裏に、介護付き老人マンションみたいのがあります。
そのすぐ下はお墓。
お墓は昔からあったんですが、
建てるほうも建てるほうだなーと、我が家でよく言ってました。
でもそこは、綺麗だし見晴らしもいいので、結構人気があるようで.....。う~む。

人が亡くなると、ここぞとばかりに墓石屋さんとかが電話してきますよね。
あれはマジでやめて欲しいです。
Commented by osanpocamera at 2007-02-20 09:20
遺体の奪い合い…って,なんだか“人間”が“商品”みたいですね。
葬儀屋,墓石業者などは因果な商売ですね。
ヒトが死ぬとお金が入ってくるのですから。

八王子は霊園が本当に多いですね。
うちの住宅団地の周りもお墓がいっぱい。もう見慣れましたが。
でも,部屋の窓から毎日目にして暮らすのはちょっと…というかんじです。