知られざる横浜の文化人

一般にはあまり知られていないが,明治・大正・昭和初期を生きた文化人に小島烏水という人がいる。山岳界では日本山岳会の創始者のひとりとして有名な人物だ。

現在の東京三菱銀行の前身である横浜正金銀行に銀行員として定年まで勤めながら,夜や休日には登山家として,そして文学者としてもたくさんの著作を遺し,また美術品(主に版画)のコレクターであり,浮世絵の研究者…と,多彩な顔をもつ。

その小島烏水の蒐集した膨大なコレクションの展覧会が,いま,横浜・みなとみならいにある横浜美術館『小島烏水版画コレクション展』と題して開かれている。

d0021488_1829655.jpgこの小島烏水という人物は知れば知るほど奥が深く,いずれの分野においても頂点を極めた人物で,その精力的で多彩な活動はエネルギッシュに溢れている。書き遺した著作はおびただしく,全集としてまとめられたものだけでも14巻もあるのだ。

コレクションした作品群を見ても,烏水の確かな目を感じる。例えば西洋版画でいえば,ドラクロワ・ミレー・コロー・ルノアール・ゴッホ・ゴーギャンからピカソに至るまで,今では有名な画家たちの作品をコレクションしている。

美術品のコレクターとしても,松方コレクションの松方幸次郎,大原美術館の創始者・大原孫三郎とも並び称されていい人物だと思う。

山と文学,そして美術を愛し,活動的に生きたこの人物を,もっともっと,たくさんの人に知ってほしいと思う。

『小島烏水 西洋版画コレクション』
 ↑ 横浜美術館の学芸員の方の著作で烏水のコレクションを紹介した本
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    [横浜美術館:正面玄関横]

by osanpocamera | 2007-02-22 16:36 | 展覧会 | Comments(0)