手塚漫画の原点

この春,皇居のお堀へ花見に行ったら,この展覧会を観るべし。
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『手塚治虫の漫画の原点』と題し,いま,九段下の昭和館で,戦争中の資料や手塚漫画の時代背景の紹介,手塚治虫の戦争体験が描かれた漫画の原稿などが展示されている。

圧巻は生原稿の展示。それぞれの漫画のハイライトシーンの原画が額に収められて展示されている。これは手塚ファンならずとも,見て損はナシです。全部,よく読んで(見て),咀嚼すべし。(かなり栄養価が高い!)

写植の文字がふきだしに貼られ,墨とペンで描かれたコマの原画は印刷原稿そのものだ。そして,その巧みな筆遣いには思わずため息が出る。まるで手塚治虫本人から直接,語りかけられているような…そんな気さえした。

 展示されている直筆原画の作品 
  『アドルフに告ぐ』
  『どついたれ』
  『ブラックジャック 魔王大尉』
  『低俗天使』
  『紙の砦』
  『カノン』
  『火の鳥 未来編』
  『どろろ』
  『ワンダー・スリー』
  『鉄腕アトム ロビオとロビエットの巻』
  『来るべき世界』


手塚治虫の漫画には,戦争体験がベースにある。これまでそういうことを意識して見たことはなかったが,どの作品にも共通する倫理観みたいなものは,やはりそういった体験からきているようだ。手塚作品の崇高さは,現代の生ぬるい世の中しか体験していなかったら,湧いてこないものなのかもしれない。

自らの戦争体験を綴った平和への思いが込められたメッセージには,まさに魂が込められている。偉大なる漫画家の原点を見る思いがして,思わず唸ってしまった。(5月6日まで。入場無料)

by osanpocamera | 2007-03-17 07:39 | 展覧会 | Comments(2)

Commented by amitake at 2007-03-18 21:28 x
皇居東御苑に春を探しに行ったついでにオーロラさんのこのブログを思い出し行ってきました。
九段会館は元軍人会館と言っていたようだし、靖国神社も戦争を賛美している中で、
九段下でこの展示は貴重です。
変色しかかった写植の貼り込みなど、手塚治虫の息遣いさえ感じられました。
Commented by osanpocamera at 2007-03-19 14:06
amitakeさんも観てこられたんですね。
あの展示を観てからお花見に行ったら,満開の桜も
なおいっそう素晴らしく見えるような気がします。